腹筋毎日100回は無意味!?シックスパックに必要な速筋トレーニングとは?

たまに、「毎日何百回も腹筋をしている」と誇らしげに語る人を見かけます。

相当な時間と体力を、毎日腹筋トレーニングに費やしているはずですので、かなりの気力の持ち主であることは間違いなく、尊敬に値します。

しかし残念なことに、このように回数に取り憑かれたように腹筋トレーニングを行なっている人で、美しいバキバキの腹筋を持っている人は多くありません

美しいシックスパックを手にいれるための腹筋トレーニングの回数は、実は、少なければ少ないほどいいのです。

それはなぜだかお分かりでしょうか?

今回は、「回数が多ければ多いほど鍛えられる」という腹筋トレーニングの誤認識を解き、正しい腹筋の鍛え方をお伝えします。

速筋と遅筋に分かれている筋繊維

繊維

まず、シックスパックを目指すにあたり第一に知っておくべきは、私たちの体に張り巡らされている筋肉には、速筋遅筋の2種類が混在しているということです。

もちろん、シックスパックを形成する腹直筋もその例外ではなく、速筋と遅筋の2種類の筋肉で構成されています

パワー系の速筋と持久系の遅筋

速筋と遅筋の一番の違いは、その役割です。速筋は瞬発系の筋肉で、重いものを持ち上げる時など、強い力を一気に発揮する時に使います。

一方、遅筋は持久系の筋肉で、弱い力での動作や、長距離走などの長時間に渡る運動の際に使われます。

太く成長する速筋と、太さが変わらない遅筋

強い力を瞬時に発揮するために、速筋線維は鍛えることで太く成長します。鍛え方によっては、現状の2倍ほどまで太くすることができる筋繊維です。

一方の遅筋は、いくら鍛えても太くは成長しない筋肉です

生まれつき決まっている筋肉比率

個人差がありますが、人体には速筋と遅筋が約半々(速筋50%:遅筋50%)の割合で混在しています。

諸説ありますが、速筋と遅筋の数は生まれた時から変わらないというのが通説で、基本的にトレーニングによって筋繊維の数を増やすことはできませんし、比率を変えることもできません。

筋線維の数を増やすことは不可能

ですので、ウェブ上でもよく見かける「速筋を増やす」というトレーニングは厳密に言えば不可能です。

また、「遅筋を速筋に変える」という言葉もちらほら目にしますが、どんなに鍛えたとしても速筋線維は速筋のまま、遅筋線維はの遅筋のままですので、筋繊維の種類を変えるトレーニングなど言語道断です。

シックスパックに効果的な腹筋トレーニングとは?

筋繊維の特徴と、速筋と遅筋の違いは理解できたでしょうか?

次項からは、「一日何百回」といった腹筋トレーニングが、美しいシックスパック形成になぜ無意味なのか、そして、どんなトレーニングが腹筋を割るのに効果的なのか、詳しく見ていきましょう。

100回腹筋が無意味な理由

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「できる限り多く回数をこなす腹筋トレーニングが無意味である」という主張を裏付ける上で、押さえておくべきポイントは以下の3つです。

  • 筋肉は速筋と遅筋で構成されている
  • 速筋と遅筋の割合は生まれた時から変わらない
  • 筋繊維の数は増やすことができない

さらに、もう一つ大切な速筋と遅筋の違いをおさらいすると、以下のようになります。

速筋 遅筋
瞬発系の運動で使用する・強い力が発揮できる 持久系の運動で使用する・長時間動かすことができる
鍛えることで太く成長する 鍛えても太さは変わらない

バキバキの腹筋に必要なのは速筋強化

私たちが腹筋と呼んでいる部分は、腹直筋という平たく縦に長い筋肉で、その腹直筋は体の正面を向いて2本横並びになっています。

腹直筋には水平方向に3本の腱(腱画)が通っていて、その腱が筋肉を6つの部屋に分けているため、6つのパックが存在しています。

シックスパックは腱の間の凸凹

シックスパックを作り上げるためには、鍛えることで太くなる速筋線維を成長させ、腱と腱の間の盛り上がっている部分を増大させることがポイントとなります。

すなわち、腹筋の遅筋部分を鍛えるトレーニングには、腹筋をモリモリさせる効果がありません。

100回腹筋で鍛えられるのは遅筋だけ

基本的に、最大筋力の25%以下での運動では、速筋ではなく遅筋が使われます。

100回を超えるような反復が可能な負荷では、1回あたりの動作で25%以上の力を使えず、腹直筋の速筋を鍛えることができません。

したがって、いくら鍛えても太さが変化しない遅筋を鍛えるだけにとどまる“低強度・高反復腹筋トレーニング”は、立体感あるバキバキの腹筋を作り上げることに寄与しないのです

バキバキのシックスパックには高負荷トレーニング

では、腹直筋の速筋線維一本一本を太くするには、どのようなトレーニングが有効なのか、見ていきましょう。

速筋はパワー系の筋肉とお伝えしましたが、速筋を鍛えるには強い負荷をかけたトレーニングが有効です

筋肉に強い負荷をかけることによって筋繊維に傷がつき(筋破壊のプロセス)、その傷を修復し、将来に備えて補強するという過程(超回復)を繰り返すことによって、速筋繊維が徐々に太くなっていきます。

20回未満で限界に達するトレーニング

具体的に、腹直筋の速筋部分を鍛えるのに有効なトレーニングは、20回未満の反復で限界に達する高負荷トレーニングです。

仰向けに寝転がって行う通常の上体起こしでは、なかなか強い負荷を感じることができませんが、例えば、

  • 腹筋ローラーを使った伸縮運動
  • ベンチの上で行うドラゴンフラッグ
  • 重いボール(メディシンボール)を使って行うシットアップ
  • ケーブルマシンを使ったクランチ
  • アブドミナルクランチ(腹筋専用マシーン)を使ったトレーニング

などが、20回未満の反復で限界に達することができる高負荷腹筋トレーニングの代表格です。

高負荷の腹筋トレーニングは、毎日千回も腹筋をするよりも圧倒的に短時間でできる上に、シックスパックへの効果大です。

脂肪燃焼効果は期待できる100回腹筋

痩せ体型の男性の上半身

100回腹筋などの高反復腹筋運動は、残念ながらシックスパックに欠かせない腹直筋の増大は見込めないものの、何度も同じ動作を繰り返すことでカロリー消費が促進され、有酸素運動による脂肪燃焼等が期待できます

バキバキのシックスパックを短期間で手に入れるためには的を外したトレーニングではありますが、決して遅筋を鍛えることが悪いことであるとか、遅筋を鍛えることが無意味ということではありません。

脂肪燃焼で腹筋が浮き出ることも

毎日何百回も腹筋している人の腹回りは、決してバキバキとは言えないものの、立体感の無いシックスパックが見えているケースがあります。

このような高反復系の腹筋トレーニングを繰り返しても腹直筋の厚みは増しませんが、皮下脂肪が薄くなることで凹凸が浮き出て見えることはあります。そのため、「毎日腹筋を何百回やって腹筋が割れた」という主張が存在するのです。

脂肪燃焼を目的とすれば有効なトーレニング

皮下脂肪を落とすことができれば、腹直筋の凹凸がよりはっきりと浮かび上がるので、脂肪燃焼を目的としたトレーニングと位置づけるのであれば、高反復トレーニングも決して無意味ではありません。

ただし、モリモリとした美しい腹筋に仕上げるには、速筋を鍛える(筋肥大をもたらす)高強度なトレーニングも同時に行う必要があるということは覚えておきましょう。

まとめ

いかがでしたでしょう?

速筋と遅筋の違いを知らずに、誤った腹筋トレーニングをひたすら実践されている人も少なくありません。

今回お伝えした、速筋と遅筋の違いを頭に入れ、高負荷トレーニングを中心に腹直筋を鍛えていけば、あなたも必ずバキバキに割れた腹筋を手に入れることができます。

むやみやたらとたくさん腹筋トレーニングを行うのではなく、

速筋を鍛え、腹直筋を厚くする高負荷トレーニング × 脂肪を燃焼させ、皮下脂肪を落とす低強度・高反復トレーニング

を必ずセットで実践していきましょう。