男性ホルモンの90%以上を占め、私たちが男らしくあるために欠かせないホルモンがあります。
それが、テストステロンというホルモンです。
筋トレの経験がある方なら一度は聞いたことがあるかと思いますが、このテストステロンは、私たちの肉体形成に大きく影響していています。
テストステロンが高いと腹筋が割れやすくなるというのは有名な話で、テストステロン値を上げるだけで、トレーニングをせずとも筋肉が成長するということを証明する研究は、世界中に数多く存在しています。
今回は、バキバキに割れた腹筋、シックスパックを最速で手に入れるために欠かせない、テストステロンについてお伝えします。
目次
タンパク質の合成を高め、筋肉を増大させるテストステロン
ロスアンゼルスにあるチャールズ.R.ドリュー医科大学(Charles R. Drew University of Medicine and Science)が2001年に実施した研究では、「テストステロン値を上げることで、トレーニングを行わなくとも筋肉を発達させ、体脂肪を減少させることが可能である」ということが確認されました。
この研究ではテストステロンを高めるホルモン注射を行っていますが、そうした薬物投与をせずとも、普段の生活で少し意識するだけで、安全かつ健康的に、テストステロン値を高めていくことが可能です。
なぜテストステロンで腹筋がバキバキになるのか
腹筋をバキバキのシックスパックに割るために欠かせない、テストステロン値の高め方をお伝えする前に、まずは、テストステロンと腹筋成長の関係性についてみていきましょう。
テストステロンは睾丸から分泌されるホルモンで、男性ホルモンの全体の95%以上を占めていて、骨格や筋力、顔つきなどの外見だけでなく、やる気や性欲など、私たちの精神状態にも大きく関与しているホルモンです。
タンパク質の合成を高めるテストステロン
テストステロンは、体内でタンパク質の合成を助ける働きをするため、腹筋トレーニング後の超回復の際に、筋繊維をより大きく、力強いものへと成長させてくれます。
また、通常男性のテストステロン量は女性の10倍〜20倍もあり、このテストステロンの差が、男性の方が女性よりもはるかに筋肉が付きやすい理由です。
30歳前後から減り始めるテストステロン

バキバキに割れた腹筋を手に入れるために、常に高く保っておきたいテストステロンですが、実は年齢と共に分泌量が低下していきます(年に1%〜2%)。
30歳を超えてくると、筋力の衰えを感じたり、「筋トレしてもなかなか若い時のように筋肉がつかない」という感覚を持たれる方も多いかと思いますが、その原因の一つがこのテストステロンの低下です。
ステロイド注射は副作用が危険
腹筋バキバキのボディービルダーなどが使用しているアナボリックステロイドなどに頼れば、簡単にテストステロン値を高めることができますが、薬物投与は重度の副作用をもたらします。
ニキビができたりハゲたりするというのはステロイド投与の有名な副作用ですが、それだけでなく、心臓や腎臓にも負担をかけ、将来的に内臓機能障害等にも陥りかねません。
薬物を使わないテストステロン上昇法
いくら簡単に腹筋をバキバキに割ることができたとしても、将来の健康が害されてしまっては元も子もありません。真の美しい腹筋は、健康な体に宿ります。
ここからは、美しくたくましいシックスパックを手に入れるための、安全かつ健康的なテストステロン上昇法をお届けします。
生活習慣と食事で上げるテストステロン

「テストステロンを上げる」なんて、日々の生活で意識したことがあるという人は、ほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。
「そもそもそんなこと可能なのか?」と思われる方もいるかもしれませんが、以下の6つによってテストステロン値を高めることが可能です。
- 亜鉛を摂取する
- ビタミンDを摂取する
- 健康的な油を選ぶ
- お酒を控える
- ストレスを溜めない
- 十分な睡眠時間を確保する
上の6つそれぞれが、なぜテストステロン値を高め、バキバキに割れたシックスパック形成に効果的かを解説します。
1. 亜鉛を摂取する
亜鉛が男性の健康に寄与することは周知のことですが、亜鉛にはテストステロン値を高める効果もあります。
ある研究では、亜鉛不足の男性に、摂取目安量(日本では成人男性で1日12mg)の亜鉛サプリメントを投与したところ、6週間でテストステロン値の上昇が確認されました。
多くの日本人が亜鉛不足である現状
厚生労働省による調査では、日本人男性の平均亜鉛摂取量が8.9mgで、亜鉛が足りていない男性が相当数いることが伺えます(平成27年国民健康・栄養調査)。
日本人には線の細い男性が多かったり、いくら筋トレに励んでもアメリカ人のようにムキムキにならないのには、亜鉛不足による低テストステロンが原因の一つとも考えられています。
亜鉛を高める食品トップ5

亜鉛と言えば牡蠣というイメージがある人も多いかと思いますが、牡蠣はやはりダントツトップの亜鉛含有量で、100g食べれば1日摂取量目安をクリアできます。
その他にも、シックスパックに欠かせない、亜鉛を多く含む食材は以下の5つです。
食品 | 100gあたりの亜鉛含有量 |
---|---|
生牡蠣 | 13.2mg |
煮干し | 7.2mg |
豚レバー | 6.9mg |
海鞘(ホヤ) | 5.3mg |
高野豆腐 | 5.2mg |
この表だけ見れば、「意外と簡単に摂取できるじゃん」と思われるかもしれませんが、牡蠣は1つあたりの可食部が約10g〜15gほどですので、12gの亜鉛を摂取するには、約100gの牡蠣(10個近くの牡蠣)を食す必要があることになります。
煮干しにおいても毎日大量の煮干しをボリボリ食べなくてはなりませんので、なかなか継続するのは困難かもしれません。
忙しい方は賢くサプリメントで亜鉛補給
栄養に気をつけながら毎日自炊されている方でしたら、上記した食材等を使えば十分な亜鉛を摂取できるかと思います。ですが、なかなか毎日自炊というわけにもいきませんし、シックスパックを目指す多くの方が仕事や学校など、忙しい毎日を送られていることと思います。
そこで、忙しくてもテストステロンを高めて腹筋をバキバキに割れるよう、簡単に亜鉛が補給できるサプリメントを活用することをオススメします。
- 海乳(かいにゅう)EX(パレベストプラン社製)
- マカ&クラチャイダム12000(ECスタジオ社製)
- クラチャイダム(ネイチャーシード社製)
- クラチャイダムゴールド(日本サプリメントフーズ社製)
精力増強剤として販売されている商品ですが、実は筋トレマニアの中では、テストステロン値を高めるために裏技的に利用されています。
また、薬局でも売られているDHCなどの安価なサプリメントは、吸収率の悪さが問題視されています。若干お値段は上がりますが、本気で腹筋をバキバキに割りたければ、上にあるような信頼できるサプリメントを選びましょう。
2. 日光と食事からビタミンDを摂取する

ビタミンDは健康的な精子の生成に欠かせない成分で、亜鉛同様、テストステロン値の上昇に寄与し、シックスパックの形成を加速させてくれます。
オーストリアのグラーツ医科大学が実施した研究では、ビタミンDのサプリメントを1年間飲み続けることで、テストステロン値を大幅に上昇させることができると確認されています。
食事からビタミンD補充
ビタミンDは食事と日光から摂取することが可能です。ビタミンDを豊富に含んだ食材の代表格はアンコウの肝で、100gあたり110μg(マイクログラム)ものビタミンDが含まれています。
また、100gあたり33μgのビタミンDが含まれているサーモンも、ビタミンD食品として有名です。
日光からもビタミンD補充
様々な食材から摂取できるビタミンDですが、亜鉛と同じく、日本人男性のほとんどが十分なビタミンDを摂取できていないのが実情です。
食生活の近代化もビタミンD不足の原因の一つではありますが、一番の理由は、日光を浴びる時間の減少であると言われています。
日焼けをすることでシックスパックがより綺麗に見えるというオマケ付きですので、天気のいい日には日光浴をするなどし、テストステロンレベルを高く保ちましょう。
3. 健康的な油を摂取する

腹筋をバキバキに割る為に体脂肪を落とすことに必死になって、食事から油分をカットする人がいますが、それはシックスパックを目指す上で逆効果です。
もちろん皮下脂肪を薄くすることは欠かせませんが、油分は腹筋の発達に欠かせないテストステロンの分泌と、切っても切り離せない存在にあります。
テストステロン値を上昇させる油トップ5
ただし、揚げ物などの油ものをたくさん摂取した方がいい、という訳では決してありません。
サラダ油などの不飽和脂肪酸は、逆にテストステロンの分泌を阻害してしまいますが、以下に代表される健康な油を摂取(飽和脂肪酸・不飽和脂肪酸)することで、テストステロン値が高められ、バキバキに割れた腹筋の形成が促進されます。
- アーモンドやくるみなどのナッツ類
- アボカド
- オリーブ(オリーブオイル)
- ココナッツ(ココナッツオイル)
- パームオイル
自炊の際にはいつものサラダ油をオリーブオイルに変えるなどし、筋トレ効果を高めましょう。
4. お酒を控える

お酒好きの方にとっては耳の痛い情報かもしれませんが、腹筋をバキバキに割りたければ、お酒はほどほどにしておきましょう。
米国シカゴにあるロヨラ大学医学部は、飲酒とテストステロン値の関係性を解明し、アルコール摂取によってテストステロン値が低下することを証明しています。
劇的にテストステロンを下げるアルコール
「お酒を飲むと、太ってシックスパックが皮下に隠れてしまう」とお考えの方もいるかと思いますが、アルコールが腹筋トレーニングを妨げる一番の理由は、テストステロンの分泌を阻害するためです。
あるオランダの研究では、3週間飲酒を続けることでテストステロン値が6.8%も減少することが確認されています。
「汗を流した日の晩酌がたまらない」なんて方は、腹筋が思うようにつかない理由はそのお酒かもしれません。本気でシックスパックを目指すのであれば、一度アルコール習慣を見直しましょう。
5. ストレスを溜めない

精神的ストレスも、美しい腹筋形成には邪魔者です。
オランダのエラスムス大学の研究では、ストレスによって分泌されるコチゾールというストレスホルモンが、テストステロンの働きを阻害するということが発見されています。
高ストレス = 低テストステロン = 腹筋が割れにくい
ストレス(コチゾール)が高まることで、テストステロンの機能が阻害されるため、強いストレスを抱えた状態での腹筋トレーニングは、ストレスがない状態でのトレーニングと比較して効果が低くなります。
このストレス社会でストレスを感じないようにするなんてなかなか難しいことですが、ボクシングジムに通ってみるなどして、自分なりの発散方法を見つけましょう。
6. 十分な睡眠時間を確保する

日々の睡眠も、テストステロン値に大きな影響を及ぼします。
睡眠時間と男性のテストステロンとの関係性を調べたシカゴ大学の研究では、睡眠時間を8時間から5時間に減らしたところ、1週間で10%〜15%もテストステロン値が減少する結果となりました。
睡眠時間を削ってまでトレーニングしない
同研究では、睡眠時間を5時間まで削った際に、テストステロン値のみならず
- 昼間に集中力が続かない
- 力が入らない
- 性欲が湧いてこない
などの症状も見られました。
「そんなに時間ないよ!」と怒られてしまうかもしれませんが、テストステロン値を高く保つには、7〜8時間の睡眠時間を取ることが理想とされています。
夜遅くに徹夜してトレーニングに励むのもいいですが、短期間で効果的に美しい腹筋を育てるには、睡眠時間も大切だということも覚えておきましょう。
テストステロンを上げる腹筋トレーニング方法

美しい腹筋形成に欠かせないテストステロンですが、食事や生活習慣だけでなく、腹筋トレーニングのやり方でもテストステロン値を高めることが可能です。
結論から言うと、
がテストステロンの上昇に寄与するのですが、この二つのトレーニングがなぜテストステロンアップと美しい腹筋形成に効果的なのか見ていきましょう。
高負荷筋トレでテストステロンが上昇
他記事でもお伝えしましたが、バキバキに腹筋を割るためには、腹直筋の高負荷(高強度)トレーニングが有効です。
高負荷トレーニングによって筋肥大がもたらされるため、シックスパックを手に入れるには必須のトレーニングなのですが、嬉しいことに、そうした高強度トレーニングを行うことでテストステロン値も高めることができるのです。
筋肥大&テストステロン上昇の一石二鳥
ニュージーランドのイースタンの工科大学が実施した研究では、低強度トレーニングを実施したグループでは、トレーニング後のテストステロン値が62%の上昇にとどまったものの、高強度トレーニングを実施したグループでは97%のテストステロン上昇が確認されました。
米国ノースカロライナ大学の研究でも、高負荷トレーニングによってテストステロン値が上昇することが確認されています。
バキバキ腹筋が手に入るオススメ筋トレ
100回腹筋などを推奨する人もいますが、何百回も反復するようなトレーニングは筋肥大も飛躍的なテストステロン上昇ももたらしません。
腹直筋の筋肥大とテストステロン値の上昇を一度に実現でき、短期間でシックスパックを手に入れることができる腹筋トレーニングは、ズバリ以下の5つです。
- 腹筋ローラーを使った伸縮運動
- ベンチの上で行うドラゴンフラッグ
- 重いボール(メディシンボール)を使ったシットアップ
- ケーブルマシンを使ったクランチ
- アブドミナルクランチ(腹筋専用マシーン)を使ったトレーニング
肥満解消でもテストステロンが上昇

多くの研究が肥満とテストステロンの関係性の解明に取り組んでいて、現代では「肥満の人はテストステロン値が低い」ということが明らかになっています。
そうした研究結果の逆説的な理論ではありますが、現在肥満体質な方は、肥満を解消することによってテストステロン値が高められ、効果的に腹筋を鍛えることが可能です。
脂肪を燃焼させる有酸素運動が有効
高強度トレーニングは、糖をエネルギー源とするため脂肪燃焼があまり期待できませんが、低強度での反復トレーニングは酸素と脂肪をエネルギーとして活動できるため、肥満改善に効果的です。
有酸素運動と呼ばれるこの運動の代表格は、30分以上かけて行うランニングやジョギングです。運動直後のテストステロン値は高強度トレーニング後には劣りますが、肥満体質の改善に大きく寄与します。
肥満解消ができればテストステロンを下げている根本的な問題を解決できるので、太りぎみの方は、高強度の腹筋トレーニングに加えて、別メニューで有酸素運動も行いましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
腹筋のみならず筋トレ全般に言えることですが、トレーニングのメニューやプロテインの種類ばかりに目が行ってしまいがちになりますよね。
ですが、トレーニングの効果を高めるにはテストステロンへの気配りが欠かせず、少しテストステロン値を気にしてあげるだけで、筋トレの効果が見違えるほど良くなることもあります。
今回お伝えしたことをおさらいすると、テストステロン値を高めるには以下の6つがポイントとなります。
- サプリメントを使い、十分な亜鉛とビタミンDを摂取する
- オリーブオイルなどの健康的な油を摂取する
- お酒は控えめにする
- ストレスをためず、最低でも7時間睡眠を心がける
- 高強度トレーニングを中心に行う
- 有酸素運動で肥満を解消する
目に見えないテストステロンですが、腹筋の成長の鍵を握っていると言っても過言ではありません。テストステロンを高く保ち、バキバキに割れたシックスパックを手に入れましょう。
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